「『今は痩せている』ということは、陰のパワーストーンを捨てたということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、陰の本も買い続けていたので、ついに、呼吸するのも困難なほど、肺の機能が低下してしまったのです。」

「陰のパワーストーンを収集し、陰の本の蔵書が500冊にもなると、肺の機能がそこまで低下してしまうのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。肺の機能がここまで低下してしまっては助からないと覚悟を決めました。しかし、息子は死にたくないようなので、陰のパワーストーンを全て捨てるように言ったら、陰のパワーストーンも、陰のPCも、陰の携帯も全て捨てました。しかし、陰の本は捨てなかったのです。」

「陰のPCやスマフォは売らないで、捨てたのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。先ほど話したように、陰のものを売ると、買った人に生じる問題が売った人に返ってきます。」

「それでは、商人系の人は陰の物を売ると寿命が縮まるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。先ほど話したように、商人系の人は、買った人に生じた問題が返ってくるのではなく、肺の機能がわずかに低下するように進化しています。」

「しかし、陰の物を大量に売れば、肺の機能が大きく低下するのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのため、商人系の人は肺が弱いので、コロナを極端に恐れます。病気になったり、死んだりしたら金儲けができないからです。」

「なるほど。話が横道にそれてしまいましたが、陰のパワーストーンを全て捨てたら、息子さんは助かったのですね」と町会長。

「陰の本は捨てなかったので、肺の苦しさが続いていました。」

「息子さんは、陰の本を捨てるより、死ぬことを選んだのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕も本人が死にたいのであれば、仕方がないと思いましたね。」

「でも助かったのですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕が自分の膝を治療したら、なんと大きく緩んだのです。」

「息子さんが陰のパワーストーンを捨てたので、膝が緩み始め、親子の経絡の連動性で、渡辺さんの膝が緩みやすくなっていたということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。これで息子は助かると思いました。すぐ息子のところに行って、確かめると、肺は劇的に良くなっていました。息子の膝が親子の経絡の連動で緩んだのです。」

「陰陽は、生死にかかわるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。事故死を除けば、ほとんどの人は経絡と陰陽で亡くなっていますが、気がつく人はいません。息子も、僕が経絡と陰陽の関係を理解していなければ、原因不明の突然死ということになっていたと思います。」

2020/9/4

<筆者の一言>
高度成長期は、パナソニックが高機能の家電製品を作れば、飛びついて買う消費者がいた。世の中の金回りがいいので、より便利な生活のためにお金を使う消費者が少なくなかったのだ。使っても使っただけお金が入ってくる時代だった。収入が足りなければ、残業をすれば良い。企業が社員に残業をさせても、『ブラック』などとは言われない時代だった。

今考えれば、高度成長期の人間は驚くべき体力があったのだ。徹夜で残業して、翌朝、遊びに行く人がいたほどだ。企業は成長し、労働者の給料は上がり続けた。

しかし、円高によって経済の停滞期に入ると、金回りが悪くなるので、お金は持っていても、高機能な家電製品が売り出された時、手を出す消費者が少なくなった。金回りが悪いので、使えば無くなってしまうからだ。

残業がしたくても、残業がある会社は少なくなり、残業があっても、残業をする体力のある人が低成長期時代が進むに従って少なくなった。

お金のある消費者も、単に便利というだけでは、新しい商品を買わなくなるのだ。必要がなければ、買わなくなるのだ。しかし、壊れれば修理する人や買い換える人が出てくる。そういう状況を見て、パナソニックのような日本の優良企業は、高機能で、適当に壊れて、価格が高い商品を作って売ろうとすることになったと推定している。

都合のいいことに、日本人消費者の多くは外国製品より日本製品に高い信頼を置いている。実際、韓国製というだけで不安を感じる消費者は多いのではないだろうか。お金がある消費者は現在使っている製品より機能が落ちる製品は使いたくないのだ。

しかし、低成長期に就職した人は、収入も少なく、蓄えも少ないから、高機能な家電製品が売り出されても買うことができる人は少なくなった。

お金を持っている消費者が多い時代は、高機能で、適当に壊れて、価格が高い商品を作って国内市場で売っていれば、日本の優良企業はやっていけた。しかし、低所得で蓄えが少ない世代の消費者が増えるに従って、日本の市場を中心に考えていた企業は売上が海外の優良企業のようには伸びず、停滞してしまうことになった。

アマゾンが現れ、消費者レビューが読めるようになると、その傾向は決定的になった。消費者の多くは、安くて壊れないものを求めているのだ。高機能で壊れて高価格の商品を求める消費者は少なくなっているのだ。<続く>

<ムクドリ91>
信玄雀と部下が、おもちゃの鷲に目とくちばしがあるかないかを、鷲の両側から確認しようとして偵察飛行をした翌日、玄関の戸をそっと開けて、庭を見回し、外に出て聞き耳を立てたが、イエスズメの鳴き声は全くしなかった。

西側の防風林に面する2階の部屋からも、イエスズメの鳴き声は聞こえなかった。信玄雀がおもちゃの鷲に目とくちばしが無いことを確認したことが、イエスズメに決定的な影響を与えたのだ。

イエスズメは、人間が理解できない幽霊を恐れるように、理解できないのっぺらぼうの鷲を恐れているのだ。そして、恐ろしさのあまり、鳴き声を出すことができないのだろう。

理解できないものに対するイエスズメの恐れ方を考えると、イエスズメの知力は人間の知力を超えていると推定される。大空を飛ぶイエスズメは、地球が球体であることも、太陽の周りを回っていることも知っているに違いない。学校で勉強しなくても知っているに違いない。それだけに、理解できないのっぺらぼうの鷲の存在が恐ろしいのだ。<続く>

2023/8/18